意外な“症状”から伺える”寝たきり状態の恐ろしさ”とは!

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(尾道・福山で少子高齢化対策に走るデイサービス希望看護師)紫ウロバック症候群と「寝たきり」の恐ろしさの関係

皆様、貴重なお時間の中私の記事を見て下さり、本当にありがとうございます。

以前病院でお仕事している頃の事でした。

おしっこの袋(バルンカテーテル)を付けた寝たきりの患者さんの袋(尿も)が紫になってるのを見かけました。

それについて私だけでなく患者さんのご家族も気になり、私に「おしっこの袋が紫なのはお薬のせいなのでしょうか?」と尋ねられた事がありました。

私は当時、新人職員であり、慣れない問題は上司や先輩に報告・相談した方が良いかと判断し、相談してみました。

すると、上司や先輩看護師さんからは「そんなに大した事ないから様子見とったらいいじゃろ」とありました。

ただ、私はどうしてもしっくり来なかったので、その後、私もその“尿が紫になる症状”を自宅のインターネットで調べてみました。

すると、あるキーワードが検索結果に出てきました。

そのキーワードの名は・・・・ 紫ウロバック症候群 というモノでした。

といっても「なんじゃ、そりゃ?」と思われる方も当然いらっしゃると思います。

簡単にお話すれば、便秘などの症状が引き金で尿路感染症の疑いが発生している時に生ずる症状の一つなのだそうです。

尿が出来る時は、まず大腸から吸収した水分含めた栄養分が肝臓に運ばれ、栄養の処理がされます。その際に検出される毒素とかを腎臓と協力して最終的に膀胱、尿路へ“尿”という液体として毒素を排出するのが通常の体の仕組みです。

しかし、その大腸~肝臓へ栄養分が流れる途中で便秘による腸内細菌等で余計な化学反応が起こり、結果、余分な成分や細菌などを含んだ物体が大腸→膀胱・尿道へと流れ込む途中で化学反応を起こし、尿を溜める袋に紫の液体(化学反応したインジカンという物質)として流れる結果になるわけです。

この状態は、尿カテーテルを陰部に挿入している患者さんが、慢性便秘症や尿路感染(保菌者とかも含め)等起こしている時に見られます。

主な対応策としては、便秘予防に努める事、尿カテーテルの利用を控える、等が挙げられます。

しかし、この紫ウロバック症候群、各医療機関で実は驚くほど“認知度が少ない”かつ“症状判断が難しい”症例なのだそうです。

上記で述べた対応策として、まず“便秘予防”が出ました。ですが、この便秘予防こと排便コントロールを寝たきりの患者さんに行う事は、状況によっては至難の業なケースがあるのです。

患者さんの日常の体位・リハビリ・呼吸のコントロール・便のコントロールに使う薬剤・与えていく栄養等のちょっとした変化により、激しく便秘にも下痢にもなるケースも少なくありません。

もちろん便は溜めすぎると大変な事になるので排出は重要です。しかし、その便も下痢になるくらい出し過ぎると便がオムツからはみ出てしまいシーツも汚染する上に臀部(おしり)やその周辺の皮膚にただれを作ってしまいます(腸の消化液などで)。

それが結果的に高い可能性で床ずれ(褥瘡)を作る引き金にもなり兼ねないのです。

となりますと、今度は便汚染が尿の管をたどり逆行性感染を起こさないように尿の管を抜くという対策をどうしてもイメージしてしまいます。

だが、仮に尿の管を抜いてもその患者さんが自力で排尿出来ない恐れが多々あるのです。原因は様々ですが、特に膀胱内に溜まっているおしっこに尿混濁(細菌とかの浮遊物)等あり、その濁りカスが尿管に蓋(ふた)をしてしまい、実際自力排尿出来ないケースを特に見ました

最悪、膀胱に細菌混ざりの尿が貯留して膀胱・尿管・腎臓の障害が発生してしまいます。

そういったケースも考えますと、本当に“尿の管を抜くべきなのかどうか”が判断は難しく、強烈な尿路感染症での発熱等でもない限り、医師からは「経過観察で!」としか指示が出せない現実もあるのです。

以上の内容等踏まえると、紫ウロバック症候群という症状を通して改めて“寝たきり状態”というモノがどれだけ患者・そして医療スタッフから見ても大変な事かが伺えるわけです。

寝たきりという状態自体が、全身の皮膚・臓器の機能低下、栄養の活性化や排泄の能力の低下を著しく進行させてしまう状態の事を指すわけですから、上記のような紫ウロバック症候群も平気で起こってしまいます。

何とか出来るうちに少しでも何とかして、少しでも健やかな時間を提供できる事が大切なのかもしれません(本当に正直なところ、明確な解決策ははっきりしてなく、今後の課題にもなっているのが現実なようです)。

※ 皆様、貴重なお時間の中、記事をお読みいただきありがとうございます。
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