職場で使う”メモ”と現場分析との関連性その2

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(尾道・福山で少子高齢化対策に走るデイサービス希望看護師)現場でのメモの使い方とは!その2

皆様、貴重なお時間の中私の記事を見て下さり、本当にありがとうございます。

前回、医療・福祉現場でのメモの重要性についてお話させていただきました。
そこで、メモを活かして気付いた事例を一つ取り上げていきたいと思います。

 

(—- 事例:とある介護施設での出来事—-)

ある、介護施設(通所リハビリ)で50人のお年寄りを9人の看護・介護スタッフがお世話していました。その途中、あるお年寄りが1人血圧が通常よりも低下・痰がらみの咳がひどくなりました(顔色もやや白色気味)。
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ここで、就職してまだ1ヶ月目のA看護師さん(以下Aさんと略します)がそのお年寄りに付き添いました。(他の利用者さんは特に問題なく過ごされており、現介護職者の数で対応しても大袈裟に支障はない)
そして近くにいたリーダー介護士さんに「この方様子おかしいから、少し状態観察して血圧とか改善しないなら医師に報告します」と状況報告しました。
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その時です。別の方向からB男性介護士さん(以下Bさんと略します)が「そんなところで油売らずにとっとと他のお年寄りの世話に回ってくれんかなー!もうちょっと回り見て動かんとみんな忙しいんじゃけぇ!」と言いました。
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Aさんは、そのBさんに「今この人は血圧が・・・・で目を離せない状態なんです。何かあったら責任取れますか?申し訳ないですが、人が足りないなら他の部署からも応援呼んでください」と伝えました。そのBさんが「ちぇっ」と言ってその場を去ったとします。
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その後、そのお年寄りの方は状態が安定し、経過観察となりました。しかし、Bさんは、その後も一日中Aさんの耳元で「自分ってさー、 無駄な動き多すぎ・・しかも、俺、ここでの10年くらいの勤務経験者なんだけどさー、職場入って間もない君の動き見てたら、この先ボロボロになるのが目に浮かぶわ!」と言い続けました。
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Aさんはその度に「おっしゃられる意味がよく分からないのですが?」と言い、そのまま、その日の勤務を終えました。

 

・・・・・・以上事例でしたが、私はこの一連のやりとりを聞いて、このやりとりにはとても濃厚で貴重な情報が数多く含まれているだと知りました。

 

このやりとりのポイントは、B介護士さんの行為がただの”モラルハラスメント”と捉えてはいけないところにあります。

 

実は、Aさんは、この一連の出来事を何日の何時何分にあったのかをまずメモに付けてました。現場の職員名やお年寄りのお名前はイニシャル(匿名)で書きました。

 

次に、まず自分のした行動がどこまで正しかったのかを勤務表の出勤人数や各役目とも照らし合わせて上司の方に相談、意見を仰ぎます。一種のセカンドオピニオンです。
また、ここで注意したいのは上司には上司の目線・同僚には同僚の目線があるので、勤務終了後に(職場名と個人名は伏せてですが)知人の同職者に相談します。

 

ここでポイントなのは”個人情報(人間や職場のフルネーム・住所等)は絶対に明かしてはならない”が一方で”一人で疑問は絶対抱えてはならない”事です。

すると、徐々に・・・

  • 自分が本当はどういったタイミングでお年寄りの急変を報告すればよかったのか?(自分の落ち度の有無を振り返る)
  • リーダー介護士さんに伝えた情報がBさんに届いてない
  • Bさんからなぜ、そういう発言が出たのか?
  • ご利用者の急変時でも、業務の効率性を優先するBさんの発言からして、職員全体の業務ペースがマンネリ(危機管理がきちんと判断出来てない状態)化している可能性も?
  • 組織の上司・同僚の方は通常その男性介護士さんに対してどういう接し方をしているのか?
  • 以上の事を踏まえ、今後、同じような意見の口論を防止するにはどう自分は動けばいいのか?

 など、気になる部分が見えてきます。

 

その結果、以下の内容が判明しました。

  • Bさんは過去に、別部署での勤務時にハードな勤務を上司に命じられ、パワハラに合う。それを上司に相談したが、取り合ってもらえず「我慢して」と言われる。それ以降”自分がやられる事は他者がやられても当たり前”的概念を持っている。
  • リーダークラス以上の上司が、Bさんに注意しても、Bさんは実際は言う事を聞くふりをして「ここの上司は現場が何も分かっていない、話にならない」と上司と距離を置いている。
  • 上司も、職場が人員不足なので現実はBさんに必要以上に強く当たれない現状がある。
  • 上司も現場のマンネリ化に対し危機感は感じているが、部下を制御出来ていない状況
  • 他の職員はBさんと揉める事を避け、”妥協して合わせている状態”になっている。

 

もし、そこから眠っている問題が出てきたら・・・

  • 口論の原因が”人員不足”ならそれを未然に防ぐような取り組みを(すぐには出来なくても)少しずつでも始めなければいけない(人で駄目ならたちまち業務用具を工夫するとか、効率性でカバーするとか)
  • Aさんは報告の際、リーダー介護士さんに「他の職員にも看護師が急変対応している事(情報)を伝えておいてください」と言っておくべきだった。
  • Bさんが組織自体に不満を抱いているのなら、しっかり上司の方もそのBさんと業務方針について話し合う時間を設け、組織内の信頼関係の修繕を試みていく
  • Bさんだけでなく現場自体が、急変に関して認識不足(業務のマンネリ化)なら、その危険性について現場で勉強会を行い、危険性の事例等の情報交換を言葉だけでなく、その根拠となる文献も添えて説明していく

事などが必要になります。

 

これらを、何度もトライするようにこちらが妥協して訴えてもBさんが無視を繰り返したり、遠まわしに嫌がらせをするなら、その時の月日と時刻とその時の出来事はとりあえずメモに収めておきます。
最悪、上司の方でもご理解を得られない組織環境なら、その情報を持って市管轄の地域包括支援センターなり行って報告する事になります(病院でのトラブルなら大抵労働局等ですが、このケースの場合は管轄が違うらしいです)

職場のメモに関してなぜ、私がここまでこだわるのか・・・そのきっかけになる理由があったからです。

それについては、次回に”記事の締めとして”お話させてください。

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